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南極観測と雪原の電波の吸収
60年代から70年代にかけて、電通大黎明期の研究には研究室の数、研究者の数ほどの研究がありますが今回はその中から、国際的にも高く評価された南極雪原における電波の吸収の関する研究をあげましょう。
1959年第4次南極観測以来、電通大の観測隊参加者は全国でも2~3位ほどの多人数ですが、自然界の電場伝搬に関する研究は電波工学の芳野研の得意な分野で雪原での電波の吸収もこの研究室の長い間のテーマでした。これは南極雪原の雪が何十万年もかかって降り積もり、下の方は圧縮されて電波が伝わる際の誘電率が大きくなってゆくので雪にあたった電波が反射されずにズルズルと内部にむかって入り、吸収されてしまうのです。
この研究は南極で航空機が雪原に着陸しようとして電波の反射がないため高度を誤り衝突した事故の原因解明に使われ、脚光を浴び注目されました。
自然界における電波伝搬の現象解明に数々の業績を上げている芳野研のなかでも、特に評価の高いのが、この雪原の電波の吸収の研究です。
近くこの研究の展示も黎明期の電通大の典型として計画の一つに入っています。
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