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展示案内(5)
日本初期のレーザー分光も電通大から
電通大のレーザー研究は70年代80年代になるとレーザー研究所(1980年設立)など、電通大の主要な研究に数えられるようになるが、その最初はやはり50年代はじめに電通大に赴任した片山幹郎によってはじまった。片山は電通大から派遣され米国留学の帰路、水島正喬に会いルビーのレーザー発光を聞き帰国、電通大で1963年ルビーレーザーを卒研生青木禎と協力して初めて発振した。その後レーザー光をトルエンなどに照射、トルエン分子のラマン現象を見つけ、日本におけるレーザー分光化学の出発となった。
最初のレーザー発光の模様は入口のパンフレットの「日本初期のレーザー分光も電通大から」の中に書かれているが、当時D棟の1階でルビーレーザーを発振すると全館中に轟音が轟いた。D棟まえの道路(メインストリート)を歩く学生もその音に驚き、建物内にはいってきたくらいである。
片山はその2,3年後東大に移り、その片山研から炭酸ガスレーザーを使った音響分光の分野で多くの研究者を輩出した。その片山研の隣にその後電通大の教授となった本郷の物理工学科から移ってきた宅間宏の宅間研があり、重成武と伊東敏雄はその研究室の助手を務めていた。
レーザー分光は東大から電通大に来たのではなく、最初は電通大から出て東大に行ったのである。
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