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展示案内(2)
ESR電子スピン共鳴分析の研究
ESRはNMRと同様に磁気共鳴を使って物質の性質を調べる装置です。NMRとの違いは原子核の代わりに電子をつかうことです。電子も原子核と同様に小さな磁石で磁気の強さは水素の原子核(陽子)の500倍も大きいのです。それで測定用の外部磁場にいれると陽子の500倍も破格首ふり運動をします。NMRのときはラジオやテレビの電波でよかったのですがESRではマイクロ波という波長がmmやcmの電波をつかいます。
電子は対(ペア)になると磁気がお互いに打ち消されてなくなりますが、鉄や銅などの金属イオンや鉄やニッケルなどの金属原子には対にならない電子をもっていてこれがESRの測定にかかります。また気体でも酸素分子や一酸化窒素も対にならない電子をもっていてこれもESRではかれます。また個体の結晶の一部に不具合があると、対にならない電子ができて、これもESRでしらべられます。
電通大でも早い時期にESRの装置の開発が試みられたのですが完成したのは、1969(昭和45)に昭和39年卒の中田良平が東北大の大学院から帰り組み立てたことによります。その後機器メーカーの装置が進歩しここにあるのは米国のVarian社の装置です。手入れが行き届いていて使っていた時の状態がわかります。
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