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    深沢由紀

    10. Belize City〜Gutemala City/10月8日(日)

     夜中から風が吹いていて朝になってもいっこうにやむ気配がない。飛行機が飛ぶかどうか心配だった。私は6時半くらいに目がさめてしまい、ひとりで散歩にいった。ほとんどの店はまだ開いていなかったが、ポストオフィス兼スーパーマーケットが開いていたので、チョコミルクとビスケットを買った。8時半くらいになってようやく父親が起きたので、レストランに食事に行った。この日は日曜日でホテルのレストランは休みだった。私たちが行ったMarin'sというレストランには昨日ホテルを紹介してくれたドイツ人の男性が来ていた。彼と同席して一緒に朝食をとった。私はフレンチトーストとパンケーキと紅茶をたのんだ。その男性は銀行マンだがしょっちゅう世界中を旅行してまわっているそうだ。日本の銀行マンというと仕事だけの生活をしているような印象があるが、ドイツの銀行マンは結構休暇がとれるらしい。日本にも来たことがあり、日本はなんでも値段が高いけれどすべてクオリティーが高いからいいと言っていた。朝食がすんだ後、彼と別れて私たちはおみやげを見にいった。イヤリングとTシャツとネックレスを買って、急いでホテルに戻りパッキングをした。

     12時半発の飛行機で15分でBelize Cityの国際空港についた。そこのロビーで、父が前回知り合ったタクシーの運転手と再会した。彼はBelize Cityの家を紹介していて、今回は400万円の大きなピアノ付きの家を紹介してくれた。確かに安いけれど、まだこの国は住むには不便な所だと思った。

     Gutemalaまでの飛行機は4時半発だったので、それまで私はロビーにあるみやげ物屋を見て回っていた。弟のCDや友達にあげるカバンを買った。飛行機は直行便ではなく途中San SalvadorによってからGuatemala Cityに入った。それでもついたのは6時くらいだった。空港は早朝に着いたときとうって違って にぎやかで、みやげ物屋がたくさんあった。空港にRits Hotelの予約センターがあったので、そこで$65の部屋を予約してタクシーでそこまで連れていってもらった。そのホテルではこの旅行はじめてのサービスを受けた。ホテルはこうでなきゃと思ってしまった。前回の旅行でも最後に豪華なホテルに泊まって、同じような 気分になったが、私はなんだかんだ言って便利な日本の生活に慣れているので、貧乏旅行の不便な生活には完全に順応することができないのだと思う。ホテルでカバンを開けたら、なんか海の変な臭いがした。良くみたら、それは昨日もらった貝のせいだった。生きた貝をそのままにしておいたため、腐って悪臭を漂わせているのだった。その臭いは強烈で石鹸であらってもいっこうにおちなかった。とりあえず、貝を水につけて洗面所においておいた。

     夕食前ににぎやかな通りを少し散歩した。途中公園があってその傍らで男の人がパフォーマンスを行っていた。何だろうと思い、大勢の人たちの後ろからのぞいたら、パフォーマンスをやっていた人がそれに気づき、私たちを彼の目の前の席に通した。スペイン語で行っていたので話の内容はまったくわからなかった。時々私たちにネタをふってきて、私が何とか答えなければならなかった。手品をやるときにも私が代表になって前にでて彼の言うおまじないの言葉をリピートした。何を言っているのかわからないが、観衆がみんな笑うので恥ずかしかった。パフォーマンスの途中で帰ろうとしたら、それを引き留めて私たちを並ばせて、「お金、お金」とおもしろおかしく言ってみんなを笑わせた。しかたなく少しだけチップを払って、その場からのがれた。夕飯はホテルの近くのメキシコ料理のレストランに入った。スープとタコスと肉料理を頼んで、スープが来た時点で頼みすぎたと思った。かなりお腹いっぱいになったけれど、デザートをすすめられてアイスクリームを頼んだ。そのレストランの入り口には兵隊が立っていて、それは治安の悪さを物語っている気がした。Guatemala Cityは他の小さな町と比べてかなり都会で、ファーストフードの店もたくさんあった。それでも、日本などとは違って治安も悪いし、通りの整備も行き届いていない。ちょうどタイのバンコクよりも少し遅れている段階なのだろうと思った。

     夜ホテルから日本にはじめて電話をした。電話の声で遠い国に来ているということを感じた。きれいなバスルームでくつろいでから、ベッドに入った。



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