マヤ神殿
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    マヤ文献

    CD−ROM
    『マヤ神殿とその壁面装飾』
  • 第1巻(プウク篇)
  • 第2巻(ベリーズ篇)
  • 第3巻(ペテン篇)

  • ウシュマル遺跡
    Uxmal(AD600-1000), Yucatan, Mexico



    (下の写真をクリックするとフォトギャラリーへ行けます.)

    ユカタン半島北部のプウクと呼ばれる低い丘陵地帯には、ウシュマル、カバー、サイール、シュラパック、ラブナーなどいわゆるプウク建築の名で知られる遺跡が集中している。プウク建築の最大の特徴は、土砂とセメントで固めた壁の表面を薄い方形の石灰岩の板で上張りする点にある。また、下層から上層に両側から少しづつ石片を迫り出してつくる楔型の疑似アーチ、正面入り口の円柱列、そして、建物正面の壁一杯にほどこされた石のモザイク模様などによっても特徴付けられている。

    この一帯の神殿都市は、7世紀初頭、ほぼ同時に建設が開始され、トルテカの侵入した10世紀末以降は、このウシュマルを除いて完全に住民から放棄されたと推定されている。従って建築装飾にあってもここではトルテカの要素は極めて少なく、チチェン・イツァーでは頻繁に見られたククルカンに代わって雨の神チャクが顕著になる。

    ウシュマルは、プウク遺跡群の中でも最大かつ最も卓越した遺跡であり、ここには、魔法使いのピラミッド、矩形の尼僧院、総督の館、大ピラミッド、鳩の館などの名で知られる壮大な建築物が数多く修復・復元されている。中でも尼僧院と総督の館の西壁に見られる石のモザイクはマヤ建築装飾の華ともいうべき逸品であり、魔法使いのピラミッドのあの丸みをおびた基檀も他では見られない神秘的な雰囲気を醸しだしている。

    ウシュマルは、当時の祭祀センターのひとつであったと推定されている。しかし、そこには、人間の居住していた形跡もあり、とすればこの種の遺跡は、かつては神殿都市といった機能も備えていたのかも知れない。伝説によれば、ウシュマルは、ある期間、メキシコ地方からやってきたシュウという一族に支配されていたというが、この神殿都市を築き上げたのが、どんな人々であったかは、未だ定かではない。

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