Caracol ラマナイ

遺構解説 A区広場と遺構A3(神殿)

 広場の三方、すなわち南、北、西にはピラミッド型建造物がそびえ、東には細長い土台の上に立つ5つの構造物が存在する。広場では、9つのステラと6つのアルタルが発見されている。遺構A3は、広場の北側にそびえる高さ16メートルのピラミッド型建造物である。頂上部の構造物では、漆喰の神面装飾が発見されている。壁面を飾るレリーフとして作られ、赤く塗られていたものと思われる。またこの漆喰装飾が何度か修復されている痕跡もある。この頂上部の構造は、縦に並んだ2つの続き部屋であり、奥の部屋と手前の部屋との間には出入り口が一つ、手前の部屋には広場に向かって3つの出入り口が設けられている。本来奥の部屋は、手前の部屋よりも床面は一段高かったが、最終的には、手前の部屋の床面には、ベンチが作られた。内部の床面からは、古典期後期に分類される香炉が出土し、年代測定値も1340年前という値を示している。実はこのベンチの下には墓室が隠されていた。ここからは、実に8.1キロの黒曜石、40.1キロのチャートが発見されている。そのほとんどは加工されていなかった。その下には6つの土器を副葬品としてもつ遺体が安置されていた。南端の蓋石には、マヤ文字が描かれ、土器に記された文字と併せて考えると、後695年に埋葬されたことが推測される。また被葬者は、カラコルの王族の血筋を引いていると思われる。


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