北スペインの旧石器洞窟美術
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    深沢武雄 / 株式会社テクネ

    人類の最も原初的な表象文化遺産のひとつとしてヨーロッパ旧石器時代の洞窟美術がある。中でもアルタミラやラスコーなどスペイン北部からピレネー山麓、フランス南西部にかけて集中する旧石器洞窟に見られる彩色画や線刻画、ならびにその一帯から出土する装飾骨器など各種モービル美術は、人類の表象文化あるいは精神文化の起源を探る上で極めて重要な意味を有しており、マルチメディアコンテンツなどその情報伝達手段を「イメージ」に依るところの多い現代文化とその未来を論ずる上でも不可避の研究課題というべきであろう。

    1998年は、通産省特別法人情報処理振興事業協会(IPA)ならびに(財)マルチメディアコンテンツ振興協会(MMCA)のご支援をいただき、かかる最も原初的な表象文化の一典型としてスペイン北部の洞窟美術をとりあげ、主としてバスク、カンタブリア、アストリアス地方に分布する旧石器主要洞窟21所ならびにカンタブリア、アストリアス、ビスカヤ、ギプスコアの各考古学博物館収蔵の旧石器動産美術を、同年3月から7月にかけ、球面パノラマIPIX、円筒形パノラマQTVR Panorama Movie、全周画像QTVR Object Movieなど最新のPhotoVR技術によって現地撮影、マルチメディア・データベース化する機会を得た。本サイトでその過程と成果の一端をご紹介する。

    [写真上] 魚眼カメラにより球面パノラマ撮影中の筆者。 Tito Bustillo, Asturias, Spain, 1998.
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