セロスに行くには、コロサルから舟に乗るのがよい。港には市場があり、そこで飲み物や食料を調達する。
セロスは、コロサル港の対岸に突き出た半島部にある。陸づたいにいけないこともないが、舟で渡る方が早い。岸に近づくにつれ、遺構5の背面や高くそびえ立つ遺構4、6のマウンドが目に入る。
人影はない。
階段を除く基壇の底部は約19メートル×14メートルである。海辺に近く、海と陸とを媒介する場所が選ばれたことがわかる。この水平方向の要であるばかりでなく、2段の基壇を作り上げることで上下方向、すなわち天と地の媒介をする役割を果たしていたと考えられる。これは、現在は保存のために埋め戻されてしまったが、南側正面部分の壁面を飾っていた漆喰のレリーフと関連している。中央の階段を挟んで、その左右に漆喰のレリーフが上下2つずつ、計4つ並んでいる。
セロス第2代の王は、遺構6の建物を建てると同時に、遺構4の建設に着手した。正確には再建と言ってよい。というのも現在見られる建物の下に別の構造物が眠っているからである。こうした建物の重なり合いは決して珍しいことではない。マヤの場合、聖なる場所が繰り返し利用されることが目につく。長く使えば使うほどパワーが蓄えられるのである。
今日目にすることができるこの広場（遺構1）の直下に、この時期の住居が埋まっている。大規模な建築活動の開始とともに、こうした住居は壊され、土器や装飾品も打ち欠いて埋められた。仕切壁が設けられ、石や土が投げ込まれ、盛り上げられた後、最終的に白い上塗りで床が張られた。こうして遺構4の東側には、広場が出現したのである。
遺構6は、遺構5の南に位置する。全体的に盛り上げられた広場の北端に建てられている。広場の南端にはやはり階段があって、さらに下の広場へとつながっていく。
