サイールの宮殿
古代ギリシャの神殿を思わせるこの建築物はサイールの宮殿と呼ばれ、プウク建築の中でも最も卓越したもののひとつとされている。三階建てで長さは約200メートル。中央階段をはさんで右側はほとんど崩れ落ちているが、左側はかろうじて二階と三階の一部が修復されている。二階正面に連なる円柱は、その中ほどにかけてふっくらと丸みを帯び、あたかも古代ギリシャのエンタシスを見ているような錯覚におちいる。宮殿は、また、小円柱をモチーフにした壁で囲まれおり、円柱列と調和していかにも宮殿らしい優雅な雰囲気を醸し出している。
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